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ファクトリーサイエンティストな人 第12回:FS協会 講師/TA 中嶋久真

2024年03月22日

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「ファクトリーサイエンティストな人」は、ファクトリーサイエンティスト協会(以下FS協会)の創設メンバーや理事・講師・TAをはじめとするFS協会に関わる人々を紹介するコーナーです。「ファクトリーサイエンティスト」って何?どんな人が関わっているの?という疑問や、それぞれのメンバーが「ファクトリーサイエンティスト」に込めた想いをお伝えしていきます。

第12回は、FS協会の講師/TAの中嶋さんに、ファクトリーサイエンティスト協会に関わるようになったきっかけや問題意識、今後の協会の展開について思うことなどを事務局の西野が伺いました。

(西野)まず、簡単に自己紹介をお願いします。

(中嶋)
普段はフリーランスのエンジニアとして、中小企業のみなさんのDX化のお手伝いをしています。事務処理の自動化に関する内容が多いです。
まだまだ紙の書類や大量の付箋と格闘していたり、〇〇さんにしかできない仕事は山ほどあり、改善の余地はあるが手が回らずマンパワーで解決しているという現場は多いです。
現場の困りごとをデジタルの力で解決していく、という点は現業とFSAと共通しておりそれぞれの経験を相互に活かせています。

(西野)学生時代はどのように過ごされたんですか?

(中嶋)
浜松生まれで現在も浜松に住んでいます。
高校時代には情報技術化、IT関係を学ぶ学科で、ソフト・ハード双方を習得。ロボット部に入っていました。人型ロボットなど二足歩行ロボットに取り組み、レスキューロボットコンテストに参加。被災地に見立てたコースで、要救助者の役割を持たせたセンサーつきの人形をいかに傷つけず、安全に救出するかを競い合いました。

(西野)ロボコンに携わっていたんですね。

(中嶋)
はい。その経験もあり、金沢工業大学の工学部ロボティクス学科に進学しました。大学には「夢考房」という名前の工作機械を学生が自由に使える施設がありました。その機器を管理するバイト兼スタッフとして学生に工作機械の使い方を教えていました。
振り返ると、ファクトリーサイエンティストでTAとして教えていることも、この時の経験が土台となっているなと思うんです。

(西野)社会に出られてからは?

(中嶋)
エンジニアとしてLED表示機器製造メーカーに就職。新卒2年目よりタイに赴任し、タイ法人の立ち上げ支援や現地での市場開拓に携わりました。
タイで工場を見える化する進捗管理板を製造する会社で、主に日系自動車メーカー及びTier2,3向けに必要なシステムやサービスを提供していました。大学で学んだプログラム経験を活かし、現地でマイコンボード用ファームウェアの改造支援も行いました。

(西野)その後、ファクトリーサイエンティスト協会に参画されたきかっけを教えてください

(中嶋)
コロナ禍をきっかけに8年ほど働いたタイから帰国しました。
タイでは充実した日々を過ごしていたのですが、コロナ禍でこのままタイにいるか、日本にいるか正直迷いました。家族と会えなくなることも考え、最終的には日本に戻り、タイでやってきたシステムを組んで誰かの役に立つことを独立して仕事にするフリーランスエンジニアの道を選択したんです。

帰国後、友人経由でファクトリーサイエンティストを紹介してもらいました。
製造現場での自動化・可視化に携わってきたこともあり、「工場にデジタルの眼を」というフレーズにはとても惹かれました。

また、父が中小企業の社長を務めていたこともあり、ファクトリーサイエンティスト協会が中小企業の方々に向けた取り組みであるのにも魅力を感じ、エンジニアとして生きてきた自分にとって、「ものを作る」以外の仕事の選択肢があるということがとても新鮮でした。

(西野)それで現在に至っているのですね。

(中嶋)
はい。フリーランスとしてのフットワークを活かしています。
大々的に社内システムを入れられる大手企業ではなくむしろ中小企業さん向けの仕事です。

例えば、ある程度デジタル化はしている(エクセルなどを入れて)ものの、同じ内容を複数のシステムに入力しなければならない、メールで届いた問い合わせ内容をExcelに転記して人の手で集計している、担当者別にバラバラの書式で管理している…など、システムに人が振り回されているような事例のご相談が多いです。まずは1度の入力で複数のシステムへ入力できるようになる中継ソフトウェアや、メール情報の自動取り込み・集計を行うソフトウェアの開発を将来的な自動化の第一歩として取り組むお客様が多いです。

具体的には、ナイス・トゥ・ハブというアクリルスタンドを作れるギフトカード(https://nicetohave.jp/photoremake/)をはじめとし、様々な印刷・グッズ開発を行う会社と協業し、販促チラシやグッズなどより入り社内の事務処理上のお困りごとを伺う流れから、システム支援などを行なっています。 お客さんのお話を聞いていると、IoT、DXという言葉ばかり先行し、現場の困りごとに対応できていないと実感しますね。

(西野)ファクトリーサイエンティスト協会の魅力について聞かせてください。

(中嶋)
業界や業種に囚われず、様々な発想に触れられる点が大好きです。 
目まぐるしく変化していくこの分野で、それぞれが得意分野を活かして新しい価値を創造していく・それに取り組みたい人たちの第一歩をサポートして仲間を増やしていく… このサイクルがとてもいいなぁと、講座の最終発表会でしみじみ感じます。

(西野)FS育成講座をどのような方に勧めたいですか。

(中嶋)
DXに興味のある方はもちろんですが、なぜシステム開発にこんなに費用がかかる?月額保守費用はほんとに必要?と疑問をお持ちの経営層の方のご参加もおすすめしたいです。実際にシステム構築の流れを体験することで、「ここは外に出したほうがいいな…」という部分や、「ここはうちでもできる!」という部分が見えて、価格の妥当性も見えてくるかと思います。
また、「講座を最後までやりきりたい」と思っている方であれば、PC操作に苦手意識があったとしても、受講は全く問題ないです。

(西野)ファクトリーサイエンティスト協会の10年後の姿をどのように描いていますか?

(中嶋)
今年1月からFSツキイチ勉強会がスタートしました。育成講座終了後に受講生同士がつながり交流を持てるコミュニティです。自分にとっての大きな悩みであっても誰かが経験しているものです。一人では出せないアイデアはみんなで解決できることもある。それを生かして次に進めるのがコミュニティの良さです。皆さんもぜひご参加ください!

協会では、次のステップとなるより実践的なカリキュラムも準備中です。
将来的には、ファクトリーサイエンティストが社内で重要な人材として認められ、さらにファクトリーサイエンティストを職業として成り立たせられるよう、修了生に対して実務相談ができるような仕組みも考えたいです。


取材担当西野の一言

中嶋さんとの接点は、実はFS育成講座会期中のオンラインのみでした。今回の取材で直接お話を伺う中、高校時代にはロボコンを、大学時代には学生に工作機械の使い方を教えていたと知り、FSと中嶋さんのつながりを感じました。

独立された現在は、FSの講師/TAであると同時に、フリーランスとして中小企業の方々の現場を訪ねてはお困りごとを解決されているといいます。その頼もしい姿を想像し、「私も助けて欲しいです」と呟いてしました 笑
当協会の講師/TAは全国でそれぞれの専門性を持ち活躍されています。これまでの連載でもご紹介していますのでご覧になられてみてください。