お知らせ
NEWS

ヤマザキマザック講演会「ものづくりの革新と夢」レポート

2024年10月28日

  • 実施報告
(写真:ヤマザキマザック)

10月下旬、大手工作機械メーカーのヤマザキマザック ワールドテクノロジーセンタ(岐阜県・美濃加茂)で、「ものづくりの革新と夢」と題した講演会が開催されました。

弊会からは、代表理事の大坪正人、理事の長島聡、川野俊充の3名がご招待いただき、それぞれ講演いたしました。同社の丸山晴也取締役副社長はじめとする役員や本社・各事業所より約200名の社員が出席しました。

--

ファクトリーサイエンティスト育成の活動

ヤマザキマザックは2021年10月にファクトリーサイエンティスト協会の法人会員になられました。各部署より自薦・他薦でFS育成講座の受講者を募集。3年間で全15回の講座に延べ83名の社員が受講されています。

講演会のオープニングでは、執行役員の澤田洋祐氏より、日本の全企業の99.7%を占める中小企業の市場構造について言及し、「中小企業でFA(工作機械)の販売が進まない現状を変えるには、経営者の方々への橋渡しとなる人材が必要。私たちがIoTの基礎を理解し、まずIoTから各工程のボトルネックに対応していきたい」と述べられました。

写真:ヤマザキマザック

同社が掲げるファクトリーサイエンティスト育成の目的は以下の3つです。

1.「すぐ試作」、「自ら、作ってみる」を実現できる人材育成

2.取り組みの成果を皆で共有してノウハウ化、FS育成講座の最終制作も貴重な知見として活用する

3.ITリテラシーの高い集団となるためにFSに相談が持ち込まれて興味を広げる

この目的のために、FS育成事務局を設置、講座のサポートを行うとともに、FS社内コミュニティを持つことで、環境構築や活性化のための支援を実践されています。

また、「FSの市民化」のために、すぐに使えるメール通知などのサンプルコードを準備し、最初の「入り口」を入りやすくしたり、FSの育成講座を用いた「考え方」と、「仕組み」(データ共有、保管、サンプルコードなどの使用)という共通フレームワークを運用することで、業務の効率化を図られています。

--

卒業生によるFS活動の紹介

引き続き、2人の方から卒業後の事例紹介がありました。
・美濃加茂製作所:最新FMS*ラインの活動向上
・いなべ製作所:QRリーダによる通知システム
*FMS: Flexible Manufacturing System

--

ファクトリーサイエンティスト協会理事からの講演

当会理事からは、デジタル化によって生み出される時間を活用し、新たな価値を創造するという視点から講演いたしました。
・「アイデアを生み出す試行錯誤」(理事 川野俊充)
・「創造生産性でイノベーションを生む」(理事 長島聡)
・「製造業で夢を叶える由紀精密の挑戦」(代表理事 大坪正人)

写真:ヤマザキマザック

最後に、ヤマザキマザックの丸山副社長より、「忘れられない講演だった」という感謝の言葉が述べられました。同社がFS活動を開始した経緯について「始めるなら全社をあげてやろう。100名のファクトリーサイエンティストが育ったら協会の理事を招いて講演会を開こう」との目標を掲げ、今回の場に繋がったと語りました。

続いて、代表理事の大坪よりは、「83人の横のつながりをすでに持っている。とても羨ましいことです。自ら課題を見つけ、デジタルの力で生まれた時間で新たな価値を生み出す。マザックのような会社が増えれば、日本全体の創造生産性をさらに高めることができると思います」と締め括りました。